[活動紹介] 事例紹介

第八回「日中韓文化交流フォーラム」

  • 1. 日時
    2012年10月27日(土)
  • 2. 会場
    中国・無錫 シェラトンホテル
  • 3. テーマ
    「文化の包容と融合−中日韓企業文化の相互学習」
  • 4. 出席者
    [日本]
    委員長 :小倉和夫(国際交流基金顧問)
    委 員 :宮田亮平(文化財保護・芸術研究助成財団理事長)
    :杉田松太郎(国際交流基金:北京日本文化センター所長)
    :小宮 浩(文化財保護・芸術研究助成財団専務理事)
    事務局 :大海渡憲夫(国際交流基金参与)
    :村木 茂(文化財保護・芸術研究助成財団事務局次長)
    :香西 宏(国際交流基金:日本研究・知的交流部アジア・大洋州チーム長)
    :嵩原安宏(国際交流基金:日本研究・知的交流部アジア・大洋州チーム主任)
    [中国]
    委員長 :劉 徳有(中国文化部前副部長、中日友好協会理事)
    委員 :雇 敏娟(劉徳有夫人)
    :井 頓泉(中国人民対外友好協会副会長、中日友好協会常務副会長)
    :馮 佐庫(中国人民対外友好協会副会長、中韓友好協会常務副会長)
    事務局 :関 立(中日友好協会秘書長)
    :孫 学慶(中韓友好協会事務局長)
    :張 孝萍(中日友好協会交流部副部長)
    :李 (中日友好協会友好交流部職員)
    [韓国]
    委員長 :鄭 求宗(韓日文化交流会議委員長)
    委員 :孔 魯明(前駐日大使、前外交通商部長官)
    :權 丙鉉(前駐中国大使、韓中文化青少年協会会長)
    :李 元泰(韓中友好協会副会長、錦湖アシアナグループ顧問)
    事務局 :李 康民(韓日文化交流会議事務局長、漢陽大学校教授)
    :徐 鉉宰(韓中友好協會 事務局長)
    :趙 有情(韓日文化交流会議事務局幹事)
  • 各国委員長代表発言要旨

    [中国:劉委員長]
    過去2000年の歴史で、この40年ほど日中韓の交流が最も進んだことはない。ただし、直近の日中韓の関係は、国交正常化以降最も冷たい状態になっており懸念している。平和と安定を望む各国国民のために、互いの交渉により正常化に向けて解決することを望む。
    今回のテーマ「文化の包容と融合−中日韓企業文化の相互学習」について、認識、価値観、行動様式等に関し、企業文化が進んでいる日韓から中国は大いに吸収したい。

    [日本:小倉委員長]
    グローバリゼーションが進む中、各国間の交流は、これまで外交官が主体だったものが、企業人、文化人やスポーツ選手にとって代わられている。大切なことは、相互のコミュニケーションで特定の分野の摩擦が他に及ばないようにすることである。世界を舞台にしている彼らには国境は無い。しかし「世論の賛同」が必要で、色々な国際間の行事に国民が参加することが重要である。例えば、中国では「ふれあい広場」ということで、日本の祭りに一般市民が参加している。市民レベルの国際交流という精神で、交流を広げていかなければならず、企業人へも幅広く呼びかける時代ではないだろうか。今後、企業を交えた文化交流プロジェクトをどのように実施するのか考えていきたい。

    [韓国:鄭委員長]
    今回のフォーラム開催を契機に、日中韓三カ国で「文化の交流」、「人の交流」に理解を深めていきたい。

  • 自由発言

    [中国側]

    • ・日中韓文化交流フォーラムは、三カ国文化交流のプラットフォームになっており、中日 間について、今年はこれまで(1)日中友好七団体の訪中(2)唐家中日友好協会会長による 東北の被災地訪問が実現した。
    • ・国際関係が冷えきっている時には、文化交流も低迷することは当然だが、フォーラム開催日の本日を「関係復帰の記念すべき日」として一般に提起すべきである。また、企業の文化的な役割には、民衆への利益の還元がある。例えば、中国国内では白内障などの簡単で低額な医療でも手術を受けられない人々に、支援の手を差し伸べることなどが挙げられる。

    [日本側]

    • ・中国では、企業におけるボランティア活動は重要である。しかし、企業側としては、何をしてよいのかアイデアが乏しいので、企業側への「情報」提供が望まれる。さらに、企業のボランティア活動をPRしてあげることが必要である。
    • ・企業が文化、芸術に対し1%を自然な形で投入すれば、現地との友好関係が自然に有効に保たれる。欧米や韓国では、すでに「1% for Arts」という制度があるが、日本も見習いたい。
    • ・日本の大手商社持ち回りで、年二回、優秀な中国の大学生30名を10日間、日本に招待している。これは、各社の現地法人同士で話し合い、各社が本社を説得して資金を集め実施している。本社主導ではない現地の社会貢献の実例である。
    • ・日本の景気が落ち込むと企業の支援も縮小する。非営利団体の活動についての説明不足も原因のひとつであり、常日頃の企業とのコミュニケーションが重要である。

    [韓国側]

    • ・企業による国内外での社会貢献活動は、ブランド力や知名度の向上を通じて収益の拡大をもたらす。韓国の企業は、「健全な社会の中で成長する」をモットーに、将来を担う子供たちのための教育や施設への支援や、ボランティア活動を義務付けたり、中国で砂漠緑化活動を行っているケースもある。
    • ・人材交流のための東アジア型ワーキング・ホリデーを韓中日共同で実施してはどうか。
    • ・韓国と中国の学生がいっしょになって中国で植林活動(「グリーンの壁」)を行っており、日本にも参加を呼び掛けている。中国では、1年で韓国国土相当の面積が砂漠化しており、この活動には国連から資金援助も受けている。日韓の企業にも働きかけて取り組む必要がある。
  • しめくくり

    [劉委員長]
    良い準備のお蔭で成功裏にフォーラムを終えることができた。無錫市に感謝をする。
    今回から新しい分野で、つっこんだ内容の充実したフォーラムとなった。
    今の時代は、政治・経済がグローバル化していく中で、文化交流を如何に推し進めていくかが問われている。国家関係、政治、外交が困難な時に、今回のフォーラムが開催されたことは重要な意義があった。「どんなことがあっても」ということが三カ国の共通願望であり、このような時だからこそ、民間交流、地方交流を沢山行うべきである。国家間の関係を少しでも改善し、安定と発展を取り戻そうという認識が共有された。新しい時代に、いっそうの文化交流を進めたい。とりわけ、(1)青少年の交流を強化すること(2)地球を守ること。すなわち砂漠化を防ぐために行動をすること(3)今後の会議の発展には、相互交流を推進すること、をアドバイスとしてしめくくりたい。

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