[活動紹介] 事例紹介

龍門石窟保護事業活動


龍門石窟

 龍門石窟(2000年(平成12年度)にユネスコ世界文化遺産登録)は、中国・河南省洛陽市区の南、龍門鎮に開かれた仏教石窟寺院であり、南から北に貫流する伊水を挟んで、伊闕山、香山という石灰岩の岩山が南北1.2kmにわたって対峙し、その岸壁に窟龕が開鑿されています。龍門石窟の造営は、5世紀末北魏時代に最初の造仏が行われ、宋時代までの400年間に2千余の大小龕が開かれ、仏像の数は10万体余にのぼるといわれています。 造営以来千五百年余りを経過した龍門石窟は、自然環境や人為により、著しい破損が見受けられます。石窟が作られた岩盤には縦横に亀裂が入り、大気汚染もあって、石窟のある岩盤と洞窟周囲の岩盤の崩落が発生しており、彫刻作品の風化も日々進んでいる状態にあります。

 この貴重な文化遺産を保護するため、財団は、龍門石窟研究所、東京文化財研究所と龍門石窟の保護に関する協定を締結、2000年度(平成12年度)は人材養成に対する助成、2001年度(平成13年度)では機材提供を行いました。また、2002年度(平成14年度)から5年の間に亘り(2003年度(平成15年度)は中止)、東京文化財研究所の「龍門石窟の保存修復のための写真情報を活用した記録作成技術の開発と写真システムの構築及び観測機器の設置」に対し助成を行いました。これらは、修復に関する正確な記録を残し、龍門石窟の文化的価値を今後に伝えるために重要な資料となります。

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