[活動紹介] 事例紹介

高句麗壁画古墳保存支援活動


高句麗壁画古墳

 紀元前1世紀から7世紀まで続いた高句麗国の王侯、貴族の墓が、古墳として現在の朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の首都平壌近郊に点在しています。華麗で風格のある壁画で知られる高句麗古墳群です。
 かねてからここをユネスコ世界遺産に登録しようと提言していた平山理事長を団長とする「学術調査代表団」は1997年秋に現地入りし、代表的な古墳を調査しました。
 高句麗壁画古墳の最初期の壁画古墳である安岳三号墳には、墓の主が大きく描かれ、周りには人々の暮らしぶりが多様に描かれていました。また、水山里古墳には、民族衣装のチマチョゴリのような姿をしている女性たちが描かれいました。この姿は、奈良の「高松塚古墳」の壁画に描かれた女性とよく似ていて、日本文化の源流であることを示しているのではないでしょうか。他に、雄大な四神図が描かれている江西大墓や、江西中墓、徳興里古墳、真坡里四号墳も調べました。
 石室の構造や壁画の状態は、北朝鮮の文化当局による手厚い保護管理がなされていましたが、最新の保存科学技術を使った抜本的な改善が必要とされていました。そこで、日朝双方での綿密な協議を経て、古墳内外に環境計測システムやビデオカメラ、デジカメ、パソコン、色彩色差計などの機械を財団が提供することとなり、1988年度以降、保存事業が軌道に乗り始めました。
 また、2004年6月には高句麗古墳はユネスコ世界遺産に登録され、これを機に、高句麗古墳保存センターを建設することになり、財団では建設費の一部支援を行いました。

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