財団のあゆみ　2001年度

■2001(平成13)年度

■	文化財の管理・修理・復旧・公開・伝承者の養成等保存および活用のための事業の実施ならびにその助成に関連し、次の助成事業を行った。

● 建造物に対する助成について

1.青森県・野呂徹宗　　法眼寺本堂・鐘楼堂他防災事業
2.山形県・湯殿山総本寺大網大日坊　　大日坊仁王門の修理
3.福島県・坂本知忠　　旧長谷部家住宅の修理
4.茨城県・大里区　　阿弥陀堂楼門の修理
5.栃木県・大谷寺　　大谷寺銅灯籠の修理
6.群馬県・八幡宮　　松井田八幡宮本殿の修理
7. 長野県・葛山落合神社　葛山落合神社境内社諏訪社社殿の修理
8.新潟県・大江乙平　　長楽寺観音堂の修理
9.福井県・西福寺　　西福寺阿弥陀堂の修理
10.滋賀県・春日神社　　春日神社神門の修理
11.京都府・岩王寺　　岩王寺本堂の修理
12.鳥取県・古市部落　　印賀宝筺印塔の修理
13. 島根県・松場登美　　石見銀山代官所地役人遺宅・阿部家住宅の修理
14.岡山県・金山寺　　金山寺三重塔の修理
15.福岡県・鹿毛鶴之助　　鹿毛住宅の修理
16.佐賀県・武雄温泉(株)　　武雄温泉新館の修理
17.大分県・末廣神社　　末廣神社栖鳳楼の修理

● 美術工芸品に対する助成について

1.埼玉県・寿徳寺　　薬師如来坐像の修理
2. 石川県・大本山総持寺祖院　　紙本著色花鳥図伝元信筆の修理
3.山口県・洞春寺　　洞春寺開山嘯岳鼎虎禅師手沢本の修理
4.徳島県・多聞寺　　木造十一面観音立像の修理
5.愛媛県・宗光寺　　木造阿弥陀如来両脇侍立像の修理
6. 奈良県・薬師寺　　薬師寺木造四天王立像・伝玄奘三蔵坐像・伝天武天皇坐像保存修理（財団創立１０周年記念事業）

● 有形民俗文化財に対する助成について

1.岐阜県・日吉神社　　日吉神社神輿（二宮神輿）の修理
2.鳥取県・福岡神社　　福岡神社蛸舞神事神楽殿の修理
　

■ 文化財の保護に関する国際的な交流・協力に関連し、次の事業を行った。

● 敦煌研究院関係助成

敦煌研究院より研究員２名を招致し、研修費を助成。（受入機関・東京芸術大学）

● 朝日新聞社企画「朝日敦煌研修員派遣制度」に対する助成

● アンコール遺跡関係助成

1.	「アンコ－ル・トム、バイヨン寺院内・外回廊のレリ－フ彫刻に関する写真記録の作成と建築美術史的分析に関する研究」に対する助成。（共同研究代表者・中川武氏）
2.	アンコ－ル遺跡保存修復のためのカンボディア人専門家養成に対する助成。（共同研究代表者・中川武氏）

● 大英博物館に対し「シルクロード地方における貨幣学に関する研修制度基金」を助成。

● 「アジナテペ涅槃仏修復事業」に対する助成
　（共同研究代表者　田辺勝美氏）

● 「エジプト・シナイ半島トゥール・ラーヤ地域諸遺跡の発掘調査・保存プロジェクト」に対する助成。
　（共同研究代表者・川床睦夫氏）

● 「フィールドノート　考古学的保存と遺跡保護のための実用ガイド」作成に対する助成。（共同研究代表者　大村幸弘氏）

● 中国国家文物局に対し、中国青州仏像の保存修復援助に対する助成。

● 「ガンダーラ仏教寺院および石造彫刻の保存と修復に関する研究」に対する助成。（共同研究代表者　西岡康宏氏）

● 朝鮮民主主義人民共和国（北朝鮮）高句麗古墳保存に関して下記の助成を行った。

1.	高句麗壁画古墳保護並びにユネスコ世界遺産登録支援のための機材提供
2.	高句麗古墳保護並びにユネスコ世界遺産登録のための朝鮮民主主義人民共和国（北朝鮮）要人招聘事業に対する助成（(社)日本ユネスコ協会連盟）

● 龍門石窟の保存修復に関する調査研究のための観測機器設置に対する助成（共同研究代表者　斎藤英俊氏）

● 「ウズベキスタン共和国芸術アカデミーに対し、「文化財保護キャラヴァン・サライ建設資金」の助成。

● 文化財保存修復に関わる下記の研究者を、在外研修員として海外に派遣した。

1.	鈴木淳氏（東京芸術大学博士課程修了・保存修復技術）派遣先･ボストン美術館テーマ･「アメリカ合衆国における油彩画をはじめとする絵画の状態調査方法および保存修復技術」（２年間の２年次）
2.	加藤淳子氏（東京芸術大学修士課程修了・文化財保存学）派遣先･ウイーン造形美術アカデミーテーマ･「グラフィックアート（主に洋紙を支持体とする）の保存修復に関する専門的な知識と技術」（２年間の２年次）

● その他、次の人的交流・研究の助成を実施した。

1.	ドレスデーン美術大学　絵画保存修復学科　教授　ヴィンフリート・ハイバー氏（ドイツ）が公開講座「油彩画修復における『Tear-Repair-Technique』の実際」開催のため来日。（受入機関　東北芸術工科大学）
2.	東京芸術大学大学院　文化財保存学システム　保存学研究室　非常勤助手　谷口陽子氏が「西アジア（シリア、アラブ共和国）における土器製作技術の調査記録およびパン焼き竈の記録保存（II）」のためシリアを訪問。
3.	(財)元興寺文化財研究所　保存科学センター室長　山内章氏が「ネパールの色彩文化財等の保存修復調査」のためネパールを訪問。
4.	東京大学　工学部　教授　西村幸夫氏が「イコモス執行委員会」(フランス)出席。
5.	奈良県立橿原考古学研究所　保存科学研究室長　今津節生氏が「国際博物館会議文化財保存部会　水浸考古遺物保存ワーキンググループ会議」（スウェーデン）出席。
6.	(財)元興寺文化財研究所　保存科学研究室長　増澤文武氏が「第８回水浸有機物出土遺物国際会議」（スウェーデン）出席。
7.	(財)元興寺文化財研究所　保存科学センター　研究員　小村眞理氏が「第８回水浸有機物出土遺物国際会議」（スウェーデン）出席。

■ 特定助成事業として、次の事業を行った。

● 尼門跡寺院文化財修復助成事業　大聖寺門跡「唐子遊戯図屏風（六曲一双）の修理」に対する助成。

● (財)伝統文化活性化国民協会の伝統文化活動支援事業に対する協力。

● アフガニスタン流出文化財の保護事業。
　　

■ 文化財の保護に関する出版物の刊行、講演会の開催、その他普及広報活動に関連し、次の事業を行った。

● 日本画保存修復に関する展覧会「よみがえる日本画－伝統と継承１０００年の知恵－」開催に対する協力助成

主催：東京芸術大学、ＮＨＫ、ＮＨＫプロモーション
後援：文化庁、国宝修理装講師連盟、台東区教育委員会
協賛：五都美術連合会、（財）文化財保護振興財団、（財）芸術研究振興財団他
会期：平成１３年４月２７日～６月１０日
会場：東京芸術大学　大学美術館

● 「朝日敦煌研究員派遣制度」

主催：蘭州大学、敦煌研究院、朝日新聞社
後援：（社）日本中国友好協会、（財）文化財保護振興財団、（財）芸術研究振興財団
期間：平成１３年９月１日から３ヶ月間
派遣者：３名

● －日中国交正常化３０周年・ユネスコ世界文化遺産登録記念－「特別展」龍門石窟

主催：	MIHO MUSEUM（滋賀会場MIHO MUSEUMのみ）、朝日新聞社、(社)日中友好協会、（財）文化財保護振興財団、龍門石窟展実行委員会、龍門石窟研究所
後援：	中国社会科学院考古学研究所、在日本中国大使館、外務省、文化庁、（財）芸術研究振興財団、(社)日本ユネスコ協会連盟
特別協賛：	ＭＩＨＯ　ＭＵＳＥＵＭ（東京会場のみ）
会期：	滋賀会場　平成１３年９月１日～１２月１６日東京会場　平成１４年３月６日～１８日
会場：	滋賀会場　ＭＩＨＯ　ＭＵＳＥＵＭ東京会場　日本橋高島屋

● 「なら世界遺産フォーラム２００１・東京～～興福寺への誘い～～」

主催：奈良市
後援：外務省、文化庁、(社)日本ユネスコ協会連盟、（財）文化財保護振興財団、（財）古都保存財団、ＮＨＫ奈良放送局
会期：平成１３年６月２日
会場：千代田区公会堂

● 「アンコール遺跡保存国際シンポジウム」

主催：日本国政府アンコール遺跡救済チーム(JSA)、（財）日本国際協力センター(JICE)
共催：国際交流基金、日本建築学会、東南アジア史学会、東南アジア考古学会
後援：外務省、文化庁、（財）文化財保護振興財団、朝日新聞社、ＮＨＫ
会期：平成１３年１０月２０日
会場：国際交流基金フォーラム

● 「シルクロード・奈良シンポジウム'０１」

主催：	シルクロード・奈良シンポジウム'０１組織委員会（構成団体：奈良県、なら・シルクロード博記念国際交流財団／シルクロード学研究センター、(社)日本ユネスコ協会連盟、朝日新聞社、（財）アクロス福岡）
後援：	外務省、文部科学省、日本ユネスコ国内委員会、（財）文化財保護振興財団、朝日放送、九州朝日放送
協賛：	（財）自治体国際化協会／国際交流基金
会期：	専門セミナー平成１３年１１月３０日・１２月１日（奈良県新公会堂）公開セミナー平成１３年１２月２日（奈良県文化会館）平成１３年１２月１６日（アクロス福岡）

● 「薬師寺玄奘三蔵院大唐西域壁画完成記念　平山郁夫　大下図・スケッチ帖・素描画・資料展」

主催：	平山郁夫美術館、日本経済新聞社、主催地新聞社
後援：	（財）文化財保護振興財団、（財）芸術研究振興財団、(社)日本ユネスコ協会連盟
協力：	（財）日本交通文化協会
会期：	平成１３年４月～平成１４年２月
会場：	滋賀・佐川美術館、栃木・ミュージアム氏家、青森・鷹山宇一記念美術館、郡山・うすい百貨店、広島・福屋広島駅前店、福岡三越

● Ｂａｙｏｎ～アンコールのモナリザたち～「ＢＡＫＵ斉藤作品展」

主催： Culture Motion'Appassionato'
後援：日本国政府アンコール遺跡救済チーム、（財）文化財保護振興財団
協力：（有）コミックス・ブランド
会期：平成１３年５月１日～７日
会場：三越銀座店８階美術ギャラリー

● ユネスコ加盟５０周年記念事業　ＩＮ　TOKYO　守り　伝えたい　世界のたからもの「ユネスコ・世界遺産写真展」

主催：東京都教育委員会、東京都ユネスコ連絡協議会、(社)日本ユネスコ協会連盟、（財）ユネスコ・アジア文化センター
後援：外務省、文部科学省、日本ユネスコ国内委員会、朝日新聞社、（財）文化財保護振興財団
特別協力：（株）堀内カラー
協賛：国士舘大学
会期：平成１３年８月１７日～２６日
会場：東京都写真美術館

● 平山郁夫展「世界の文化遺跡を描く」

主催：	熊谷・平山郁夫展実行委員会
後援：	熊谷市、熊谷市教育委員会、熊谷市文化団体連合会、熊谷市美術家協会、（財）芸術研究振興財団、（財）文化財保護振興財団、(社)日本ユネスコ協会連盟、デジタルアーカイブ推進協議会、ＮＨＫさいたま支局、埼玉テレビ、テレビ熊谷、埼玉新聞社、朝日新聞熊谷支局、毎日新聞熊谷支局、読売新聞熊谷支局、産経新聞熊谷通信部、東京新聞熊谷通信局
会期：	平成１４年３月２８日～４月８日
会場：	熊谷市　八木橋８階カトレアホール
協力：	国際芸術文化村協会

● ＢＡＫＵとのんびりホーチミン・アンコール遺跡の旅「ＢＡＫＵ　Ｂａｙｏｎツアー」

企画： Culture Motion'Appassionato'
後援：日本国政府アンコール遺跡救済チーム、（財）文化財保護振興財団
日程：平成１４年１月１９日～２４日
旅行主催：近畿日本ツーリスト

● 啓発冊子「世界の文化遺跡と日本を考える」の発行（第６年次）

文化財保護・育成のため、啓発冊子を発行。修学旅行該当学年の高等学校生徒（２年生）等を対象に無償配布

発行者：	（財）文化財保護振興財団
発行日：	平成13年10月5日
発行部数：	45,000部（内財団版1,000部）
配布先：	山形県、岐阜県の高等学校、他
体裁：	A5判、右綴じ、縦組み、表紙共148頁、カラー多用
協力機関：	外務省、総務省、文化庁、講談社、山形県、山形県教育委員会、岐阜県、岐阜県教育委員会
編集協力：	長澤和俊、東京芸術大学、東京文化財研究所、奈良文化財研究所飛鳥資料館、日本国政府アンコ－ル遺跡救済チ－ム、朝日新聞社、読売新聞社、（財）芸術研究振興財団、(社)日本中国友好協会、(社)日本ユネスコ協会連盟、法隆寺、協和発酵工業(株)、(株)電通、(株)大塚巧藝社 ※（財）日本宝くじ協会の助成対象事業

● 広報誌「絲綢之路」発刊

第36号（'01－夏）　　平成13年　６月15日発行
第37号（'01－秋）　　平成13年　10月15日発行
第38号（'02－新春）　平成14年　１月30日発行
発行部数：各2,000部
配布先：賛助会員、理事、評議員等関係者に無償配布