文化財保護振興財団のあゆみ
 
2003200220012000199919981997199619951994199319921991199019891988
■1996(平成8)年度


文化財の管理・修理・復旧・公開・伝承者の養成等保存および活用のため事業の実施ならびにその助成に関連し、次の助成事業を行った。

● 建造物に対する助成について
1. 宮城県・名取熊野神社 本殿(十二杜権現)の修理
2. 山形県・本山慈恩寺 山門の修理
3. 福島県・飯野八幡宮 拝殿・幣殿の修理
4. 栃木県・興雲律院 三天堂の修理
5. 山梨県・上野 昇 上野家住宅の修理
6. 福井県・木下 泰男 木下家住宅の修理
7. 大阪府・観心寺 本願堂の修理
8. 和歌山県・力侍神社 力侍神社・八王子神社本堂の修理
9. 岡山県・穴門山神社 本殿の修理
10. 広島県・観音寺 本堂の修理
11. 山口県・吉香神社 本殿・拝殿・神門の修理
12. 大分県・八坂神社 本殿の修理

● 美術工芸品に対する助成について
1. 岩手県・凌雲寺 木造仁王像の修理
2. 千葉県・大慈恩寺 宝物類の修理
3. 愛知県・龍光寺 木造十一面観音菩薩立像の修理
4. 滋賀県・長寿寺 木造聖観音立像の修理
5. 京都府・常念寺 木造十王座像他12躯の修理
6. 奈良県・金剛山寺 二天像の修理
7. 奈良県・法隆寺 百済観音堂新宝・蔵院建設工事

● 有形民俗文化財に対する助成について
1. 岐阜県・関市本町3丁目自治会 関祭山車(加茂山車)の修理
2. 奈良県・小島神社 ナモデ絵馬の修理

● 研究等に対する助成について
「古文書料紙原本にみる材質の時代的変還、地域的特質に関する基礎的研究」 (共同研究者代表・湯山賢一氏)

 

■ 文化財の保護に関する国際的な交流・協力に関連し、次の事業を行った。

● 敦煌研究院関連助成
1. 敦煌研究院より研究員5名を招致。
2. 段 文傑院長のインド石窟調査費を助成。

● アンコール遺跡関係助成
1. 「アンコール・トム、バイヨン寺院内・外回廊のレリーフ彫刻に関する写真記録の作成と建築美術史的分析に関する研究」に対する助成。
(研究代表者・中川武氏)
2. アンコール遺跡保存修復のためのクメール人専門家養成に対する助成。
(研究代表者・中川武氏)

● 大英博物館に対し「シルクロード地方における貨幣学に対する研修制度基金」を助成。

● 「南ウズベキスタンの仏教遺跡の考古学的調査」に対する助成。
(共同研究・田辺勝美氏)

● 文化財の保存修復業務に従事する外国人専門家を、外国人研修員として日本に招致した。
1. ジェニファー・ペリー氏(メトロポリタン美術館)
 「東洋美術における軸装・額装・屏風装・冊子本等の装技術の習得」のため招致……2年目(焼津市・山口墨仁堂)
2. 山口墨仁堂にチューター経費助成

● その他、次の人的交流・研究の助成を行った。
1. ノルウェイ・トロンハイム工科大学教授、イコモス木造文化財保存特別国際委員会委員長クヌート・ラーセル氏が日本イコモス国内委員会主催公開講演会・研究会・シンポジウム出席のため来日。
2. ロシア・国立エミルタージュ美術館絵画修復部ニコーリスキー・アレクセイ・セルゲェヴィチ氏が創形美術学校と研究交換のため来日。
3. 東京学芸大学教育学部・文化財科学科講師、服部哲則氏が「北米における文化財保存修復教育に関する研究・調査」のためデンマーク王国を訪問。
4. アトリエ・ド・クレ代表、岡本幸治氏が「第2回所蔵写本カタログ化国際会議」出席のためブルガリアを訪問。
5. 東京国立文化財研究所・西浦忠輝氏が「イコモス第11回総会及び国際シンポジウム」参加のためブルガリアを訪問。
6. 千葉大学名誉教授・大河直躬氏が「イコモス第11回総会及び国際シンポジウム」参加のためブルガリアを訪問。
7. 福山大学建築学科教授・足達富士夫氏が「イコモス第11回総会及び国際シンポジウム」参加のためブルガリアを訪問。
8. 日本福祉大学情報社会科学部教授・片方信也氏が「イコモス第11回総会及び国際シンポジウム」参加のためブルガリアを訪問。
9. 東京芸術大学美術研究科文化財保存学助教授・稲葉政満氏が「ICOM国際博物館協会保存部会大会」及び「IIC国際文化財保存学会」出席のためイギリス・デンマークを訪問。
10. (財)元興寺文化財研究所保存科学センター長・増澤文武氏が「第5回中性子ラジオグラフィック国際会議」出席のためドイツを訪問。
11. 京都大学原子炉実験所文部技官・岡本賢一氏が「第5回中性子ラジオグラフィック国際会議」出席のためドイツを訪問。
12. ユネスコ・アジア太平洋地域事務所(バンコック)、リチャード・エンゲルハート氏が「文化と発展-多様化を生かした開発協力」をテーマとした国際会議出席のため来日。
13. 東京芸術大学が主催する国際シンポジウム「災害から文化財を守る-緊急時の対策と活動の指針」開催に伴う経費。
14. 東京国立文化財研究所主催の国際シンポジウム「第5回紙の保存修復国際研修」参加のため、レルクディクル・スパラポーン氏(タイ)他3名が来日。
15. 東京国立文化財研究所に対しビデオパッケージ「TECHNIQUES AND TOOL JAPANESE PAPER CONSERVETION」を増刷作成経費。



■ 特定助成事業として、次の助成を行った。

● 敦煌研究院長・段 文傑氏に対し、インド石窟調査の経費。

● 南京城壁保存修復経費(募金活動)

● 阪神・淡路大震災被災文化財救済資金を募金活動により調達し、次の案件に対し助成を行った。
1. 神戸市 温泉寺 波夷羅大将立像の修理
2. 神戸市 太山寺成就院 春日形石灯籠の修理
3. 洲本市 洲本八幡神社 金天閣の修理
4. 尼崎市 須佐男神社 石造十三重塔の修理
5. 伊丹市 昆陽寺 木造二天立像の修理
6. 伊丹市 昆陽寺 木造金剛力士像の修理
7. 伊丹市 発音寺 木造三面大黒天立像の修理
8. 伊丹市 発音寺 木造毘沙門天立像・両脇侍像の修理
9. 神戸市 (株)海岸ビルディング 海岸ビルヂング補修工事
10. 神戸市 朝日生命保険相互会社 フットテクノビル震災復旧工事
11. 神戸市 (株)ファミリア 旧三菱銀行神戸支店改修工事
12. 神戸市 石川(株) 旧東京倉庫兵庫出張所震災復旧工事
13. 神戸市 薬師寺 木造仁王尊像の修理
14. 神戸市 安養院 名勝庭園外塀震災復旧工事
15. 阪神・淡路大震災被災状況報告書刊行会
 「阪神・淡路大震災による文化財の被害と復旧」刊行

   

■ 文化財の保護に関する出版物の刊行、講演会の開催、その他普及活動に関連し、次の事業を行った。

● 南京城壁修復協力事業「平山郁夫展」-中国・南京を描く-
主催: 日本中国友好協会全国本部、平山郁夫展実行委員会
後援: 在日中国大使館、中国・南京城壁保護委員会、(財)文化財保護振興財団
協力: 講談社
会期: 平成7年7月~平成9年6月
会場: 全国主要都市


● 国際シンポジウム「災害から文化財を守る-緊急時の対策と活動の指針」
主催: 東京芸術大学
共催: 文化庁、東京国立博物館、京都国立博物館、奈良国立博物館、東京国立文化財研究所、奈良国立文化財研究所、兵庫県教育委員会
後援: UNESCO, ICCROM, ICOMOS, ICOM, ICA, 国際交流基金アジアセンター、(財)文化財建造物保存技術協会、(財)文化財保護振興財団、(財)芸術研究振興財団
会期: 平成9年1月19日~1月25日
会場: 神戸朝日ホール、国立オリンピック記念青少年総合センター、他

● 「世界の文化遺跡を描く-平山郁夫展」
主催: 平山郁夫展実行委員会、(財)文化財保護振興財団、主催地主要新聞社
後援: (社)日本ユネスコ協会連盟、(財)芸術研究振興財団、主催地TV局
協力: NHKアート、中央公論社
会期: 平成8年11月~平成9年11月
会場: 全国主要都市

● 文化財愛護精神啓発冊子「世界の文化遺跡と日本を考える」の刊行
発行者: (財)文化財保護振興財団
発行日: 平成9年3月12日
発行部数: 62,000部
配布先: 富山県、奈良県の高等学校2年生・教職員全員に無料配布
体裁: A5判、縦組み、表紙共142項、カラー多用
協力機関: 外務省、自治省、文化庁、講談社、富山県教育委員会、奈良県教育委員会
編集協力: 長沢和俊、東京芸術大学、東京国立文化財研究所、奈良国立文化財研究所飛鳥資料舘、日本国政府アンコール遺跡救済チーム、朝日新聞社、読売新聞社、(財)芸術研究振興財団、日本中国友好協会全国本部、(社)日本ユネスコ協会連盟、法隆寺、協和発酵工業、電通、大塚巧藝社

● 広報誌「絲綢之路」発刊
平成8年6月 第21号
平成8年10月 第22号
平成9年1月 第23号