[活動紹介] 事例紹介

陝西唐代陵墓石彫像保護修理事業

 陝西唐代陵墓石彫像は唐の都・長安(現西安市)の郊外にある帝王陵に配列された人物像や獅子像等で、古代中国石彫像の至宝です。とりわけ順陵・橋陵・乾陵はその芸術の典型を示すものです。
 順陵は則天武后の母、楊氏の墓であり、陵の前に34体の石彫像が現存しています。乾陵は唐の高宗李治と則天武后の合葬墓で、陵園には124体の石彫像が残り、東、西、北の各門の外に2躯ずつの獅子が配されています。北門の外には更に仗馬、控馬人がそれぞれ3対配され、六龍と称されています。橋陵は唐の睿宗李旦の陵墓で、陵園の石彫像は写実性に富み、唐陵石彫芸術の筆頭に挙げられています。陵園には50体の石彫像があります。
 しかしながら、これらの石彫像は長年にわって自然の風化や倒壊により、亀裂が生じたり破損が著しく進んでいるため、保存修復を必要としていました。
 財団は、日本の篤志家の全面的な財政支援を得て、石彫像保護のための協議書を陝西省文物局と取り交わし、西安文物保護修復センターと東京文化財研究所の共同研究による保護修理事業の助成を行いました。
 そして、2008年(平成20年)、その貴重な石彫像は見事に整備されました。

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