理事長挨拶
公益財団法人 文化財保護・芸術研究助成財団 理事長 澤 和樹
公益財団法人文化財保護・芸術研究助成財団は、文化財の保存及び活用に関する事業の助成、芸術文化の発展に係る研究活動に対する助成及び世界の文化財の保護に関する国際的な協力・交流等を促進することにより、文化財の保護と芸術文化の充実向上に寄与しております。
人類共通の宝である文化財は、経年による劣化や自然災害、紛争による破壊などで危機にさらされているものも数多くあります。こうした貴重な文化財・文化遺産を保護・保存修復して、次の時代まで引き継いでいこうと「文化財赤十字活動」を展開しています。
国内各地の文化財の保存修理に対する助成や、国際的な文化遺産の保護の支援活動などを行います。これまでに敦煌莫高窟・龍門石窟・アンコールワット遺跡群の保存修復、高句麗壁画古墳の保存、国外にある日本古美術の保存修復、アフガニスタンから流出した文化財の保護、中国各地の文化財保存修復専門家の育成支援などの事業を行ってまいりました。
また、文化財保存修復専門家の人材育成や文化財及び芸術文化の調査研究、成果の発表などの支援を行っています。
シルクロードを通じて東西交流で文化的恩恵を受けた日本は、「文化の面で国際貢献」をすることが平和を求める国家として一番相応しい姿だと思います。財団の活動は、こうした活動に賛同された企業や個人の賛助会員とご寄附で運営されております。
新型コロナウイルスが跋扈し、世界は大変な状況に瀕しております。そうした中、私たちは職務を全うしてまいります。どうぞ皆様の温かいご支援をお願い申し上げます。
令和2年11月1日
公益財団法人
文化財保護・芸術研究助成財団
理事長 澤 和樹
写真撮影:新津保建秀